大気と風の関係! 航空気象学②
ドローン教授っす。今日も航空気象学についての講義のつづきじゃ
航空気象学って、意外に面白いですね。
そうじゃろ? 空って複雑で面白いのじゃ
あの青空の下~の隅っこでドローン飛ばしてるんですね。
そう。800kmもある空の150m以下じゃ。
自分がちっぽけな存在に感じます。
初心者のキミは15m位で十分じゃ。さて、さっそく、ドローンを操縦するものは知っておいた方がいい「航空気象学」についてその②じゃ
lesson41 大気と風の関係! 航空気象学②
地表付近の大気
前回の授業で、対流圏の事は理解してくれたと思う。今回は、その対流圏につてもう少し詳しく説明する
大気境界層
対流圏の中でも、地表から1500m程度の高さまでを、大気境界層または摩擦層と呼びます。
接地層
大気境界層の中で、地表数10mから100mまでの高さを接地層と呼びます。この層は、空気の流れと地面との摩擦によって、空気の運動が、不規則になります。この空気の流れを乱流と呼びます。
ドローンはこの接地層での飛行ですね
そうじゃ。この層における大気の性質をきちんと理解せい!!
エクマン境界層
高さが高くなると地表面の摩擦は少なくなります。すると、次第に大気の流れが螺旋状になります。この大気が螺旋状に流れる層をエクマン境界層と呼びます
高度は約500mから1400mまでじゃ
自由大気
大気境界層より高く、対流圏上端よりも低い位置の大気を自由大気と呼びます。
この自由大気は地表の摩擦をほとんど受けない為、いい感じに気圧傾度力と、コリオリ力がつり合っているのじゃ。だから旅客機の多くはこの自由大気を飛んでおる
標準大気
様々な要因で変化を繰り返す大気の状態の予測は難しい。しかし、鉛直方向の変化はある程度一定であるため、高度ごとの大気の状態のモデルを決めたのじゃ。それが、標準大気と呼ばれるのじゃ
標準大気は、ISOやICAOという団体がそれぞれに定めています。
気体の性質を表す法則
大気の性質は、空気中に水分を含むと大きく変わってしまう為、標準大気では、乾燥空気であることを条件としています。
気体の性質を表す法則の一つに、ボイル・シャルルの法則がある。これは、気体の圧力は体積に反比例し、絶対温度に比例するというものじゃ。つまり、気体の圧力と体積と温度は、常に一定の関係性を保つとしたものじゃ
常に一定?!ほんとですか! すごい法則ですね!
でもね。実際はそううまくいかんのじゃ。うまくいかない現実的なものを実在気体、法則に従うと仮定した気体を理想気体と呼んでおる。航空業界では、この理想気体を完全ガスとよんでいるのじゃ。
標準大気の基準設定
大気・・・乾燥した完全ガス
気温・・・高度0mで15℃
気圧・・・高度0mで1013.25hPa(760mmHg、29.92InchHg)
密度・・・高度0mで1.225kg/m3
重力・・・9.80665m/S2
対流圏での温度変化
対流圏では、高度があがるにつれて、気温減率が一定で下がっていく。標準大気では、1000m上がるごとに気温が6.5℃下がると定めておる。つまり、100m上がると0.65℃下がるということじゃ。そして、高度11,000m上がるとマイナス56.5℃で一定になるとしておる。
高度0・・・15℃
高度100・・・14.35℃
高度800・・・9.8℃
高度2,000・・・2℃
高度10,000・・・ー50℃
高度11,200・・・ー56.5℃
無人航空機従事者2級(ドローン検定2級)では、高度毎の気圧と密度は出題されないので、割愛させていただいた
風の定義
風
空気の流れを地表面から観測したものを風といいます。
風速と風向が安定している風を地衡風と呼びます。
風の原理
前回の授業でやったとおり、風が生じる原理は、気圧傾度力が高い所から低い場所に流れる現象じゃ
地球は回転している為、コリオリの力が生じます。コリオリの力の解説はこちら↓
コリオリ の力は、地球の北半球では、進行方向に向かって右向きに、南半球では左向きに生じます。
コリオリ の力は、風の進行方向に向かって直角に働きます。
頭が混乱してきました~
そうじゃな。ようするに、気圧傾向力とコリオリ の力を見て、風向を予測しなさいという事じゃ。高気圧と低気圧の差が大きく、それらが接近していると強い風が吹く。天気図で言えば、等圧線の間隔が狭い場所は、強い風が吹いている
検定問題
ドローンの教科書 上級テキスト 無人航空従事者試験2級対応問題より
問1 標準大気における高度200mの気温としてもっとも適切なものを選びなさい
① 約-6.5℃
② 約0℃
③ 約2℃
④ 約13.7℃
ドローンの教科書 上級テキスト 無人航空従事者試験2級対応問題より
問2 風の説明として正しいものを選びなさい
① 空気分子の進行方向が風向である
② 気圧傾度力によって風向が決まる
③ 風に乗って飛行する気球でも風速を測定できる
④ 風速と風向が安定している風を地衡風と呼ぶ
まとめ
尊敬します。こんなに難しい事を沢山覚えているなんて。
そ、そうかな~。(尊敬なんててれるな~)
尊敬しちゃいますよ。気象予報士の人達って、もっと難しい事を覚えているんですね。さすが合格率数%ですよ!
(そ、そっちかい) ドローン検定の合格率70%じゃ。基本の基本じゃ。天気の勉強をしっかりやろう!
※参考 ドローン検定協会公式BOOK ドローンの教科書上級テキスト
ドローンも保障付きでレンタル可能です↓
ドローン検定協会公式BOOK ドローンの教科書